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2007'11.19 (Mon)

CAROLS ~陽月ver.

こちらを見る前に下の『CAROLS ~楓ver』を見る事をおすすめします!
ディアお兄ちゃん作です!






雪のちらつく中に一人立っていると、スケイドの寒さが身に染みる。



家出を宣言してから、どのくらいの時間が経ったのかわからない。



いつもなら、沢山のお兄ちゃんお姉ちゃん…それに楓お兄ちゃんと、
皆でわいわいしてる時間。



だけど今日は、誰にも見付からないように人の居ない場所を選んで
仕事をしようとして――



…なんだか寂しくなって、ここにきた。
ママの大好きだった場所。

でも…当たり前なんだけど、余計に寂しい。

【More】






メールにすぐ気付いた楓お兄ちゃんに、
家出した意味がないとは思いながらここを教えてしまったけれど、
きちんと話すって言ったって、
いつも伝えている気持ち以外に何を伝えたら、
あの鈍感な従兄は陽月の本当の気持ちに気付いてくれるんだろう。



ここは、大好きな場所なのに。
舞い散る雪に、体も心も冷たくなっていく。



「…早く、迎えに来て…」


なんて、家出娘の台詞とは思えない言葉をぽつりと呟く。


言葉と一緒に吐き出された白い息が、冷たい空気に溶けていく。




その時。




「…あぁ、いた……!」



聴き慣れた声に振り向くと、
そこには、誰よりも愛しい人――楓お兄ちゃんが、
息をきらせて、立っていた。



「…ごめんなさい…」



ゆっくりと歩いてくるお兄ちゃんを見つめながら言うと、
お兄ちゃんは微笑んだ。


「いいんだよ、ただ、心配だったんだ…
…あ、コウに会えたって報告しないと」


そういいながらお兄ちゃんはこそこ草の葉を毟りとり、
コウお兄ちゃんに、会えたよ、悪かったな、と報告する。



…自分の感情だけで動いちゃって、
周りに迷惑をかけることなんてこと、思いもしなかった。



「し、心配かけちゃった」


陽月が言うとお兄ちゃんは、こそこの葉を丸めながら、
もう連絡したから大丈夫だよ、と言って笑った。



「ほんと…ごめんなさい」


言ってうつ向くと、お兄ちゃんが陽月の前に立って、
いつものようにぽん、と頭に手を置いた。



「ううん、俺のほうこそごめんね…
ひーちゃんの気持ちわかってあげられなくて」



その言葉に顔をあげると、お兄ちゃんは、じっと陽月を見つめていた。



「ううん!探してくれただけでも…嬉しい」


陽月がそう言うと、安心した顔で、
もう心配させないでね?と、お兄ちゃんが呟いた。



「…うん…たぶん」


ちょっとそっけなく言うと、お兄ちゃんの表情が固まった。

そして、肩を落とす。



「……そうだよね、原因解決してないもんね…」


力なく言うお兄ちゃんに、悪いことしたかな、と思う。
まぁでも、家出して心配させたんだから、
もうこの際、何をいっても同じかな、とも思った。



「……陽月の事、きらいになっちゃった?」


ぽつりと聞くと、お兄ちゃんはすぐに首を振った。


「そんな事あるわけないよ」
「ほんと?」
「うん、何があってもひーちゃんを嫌いになったりしない。
…えっと、ひーちゃん…妹扱いされるの、嫌だった?」

「うん…」


少し困ったような顔をする、背の高い従兄を見上げてきっぱり言うと、
その表情を寂しげな笑みに変えた。

「俺は従兄だから本当のお兄ちゃんてわけじゃないし…
やっぱりお兄ちゃんとは思えない…?」
「『お兄ちゃん』とは、思えない」
「そ…っか…」


陽月の言葉に泣きそうな、この超鈍感な従兄は、
陽月が生まれたときから本当の妹のよう可愛がってくれたから、
今頃心の中で、妹が離れて行ってしまうような気がして
寂しいんだろうな。
妹に嫌われた気がして、悲しいんだろうな。



ねぇ、違うんだよ?
あなたから離れていきたいわけじゃないよ?
陽月はあなたが大好きなの。
ずっとずっと、一人の女性として、傍にいたいの。

だから、ちゃんと見て。
大人になった、陽月を見て?



「だって…『好きな人』だもん」



勇気振り絞って、想いをきちんと口にすると、
お兄ちゃんは、え?と言って、ものすごく驚いた顔で陽月を見つめた。



「俺の事、嫌いになったんじゃないの?」
「嫌いになれる訳ないでしょ?」
「ほんとに?」



どれだけあなたをみてきたと思ってるの?
鈍感だけど、心の優しいあなたを。
嫌いなら、もっと早く出ていってる―



陽月は微笑んだ。


「イヤで家出した訳じゃないもん。
いつまでも妹扱いされるのがイヤだったの」

言うと、お兄ちゃんは少し戸惑った。


「好きだから、家出した…?」



うん、と陽月は頷いた。



「だって、信じてくれなかったでしょ?
陽月が、何度お兄ちゃんを好きって言ってるのに、
兄として慕ってるって思ってたでしょ?」
「う、うん…え…そうじゃ…ないの…?」

「だから…もう、傍にいない方がいいのかなって…
だって…陽月は楓お兄ちゃんを男の人として好きなんだよ?
お兄ちゃんの望みどおりの妹には……もう、なれない」


言ってうつむくと、頭上で息を飲む気配。



「ひーちゃんの好きな人って…俺、だったんだ…わからないはずだ」



…そんなこと、あの血の気の多い兄貴分に聞かれたら、
やたら爽やかな笑顔で『闇に滅しますよ?』なんて言われるよ…?

そんなことは陽月が許さないけど。



「そうだよ…?ごめんね…?」

「ううん、ありがとう…好きになってくれて嬉しいよ」


見上げた先に、お兄ちゃんの笑顔。
そして、いつものように頭を撫でた。



「…また子供扱いする」

ぼそっと言うと、はっとした顔でささっと手を引っ込めた。



「…やっぱり、妹としか見れない…?
はっきり言って、そうすれば諦めるから」

しっかり目を見つめて言うと、お兄ちゃんは戸惑いがちに、言った。


「…俺にとってひーちゃんはずっと妹だと思ってたから…」
「…そっか…そうだよね」

その言葉にうつむこうとすると、でも、と、お兄ちゃんは続けた。



「一番大事で一番傍にいてほしいのも、ひーちゃんだよ」
「……でも、もう妹としては傍にいられないよ…」



しばしの沈黙。

気付けば、辺りが夕闇に染まり始めている。
うつむいて見える地面も、うっすらと雪化粧していた。


「…今までずっと気付けなかったけど…
俺も、ひーちゃんの事…好きだ」



え、と言って、また顔をあげる。



「最近ひーちゃんの様子おかしかったから…
ひーちゃんが俺から離れていくかもって考えたらすごく嫌だった。
最初はそういうの全部、『兄』としての気持ちだと思ってたけど…
…俺以外の男が傍にいるのは…耐えられない」


お兄ちゃんの手が、陽月の頬に触れる。
その手を、陽月はそっと握り締めた。



「ほんと…?」

「もう、妹が嫌なら……恋人としてなら、傍にいてくれる?」

「…!もちろん!」



嬉しい言葉に即答すると、お兄ちゃんは陽月を強く抱き締めた。
陽月も、お兄ちゃんを抱き締めた。



「好きだよ、ずっと傍にいて…」
「うん ずっとずっと傍にいさせて?お兄ちゃん…大好き」



温かい鼓動。
どれほど、この時を夢みただろう。

涙したことだって、一度や二度じゃない。



だけど、結果オーライ。
だって、想いは実ったんだから。




「お兄ちゃんだけが好きだよ。ずっとずっと好きでいてね?」
「俺もひーちゃんだけが好き。ひーちゃんも、ずっと好きでいてね」

「うん、もちろん!」



満面の笑みで答えて、お兄ちゃんの頬にキスをする。


すると、お兄ちゃんは抱き締めていた腕を解いて
陽月の頬を両手で包み――



口唇に、キスをくれた。



「!」



顔が赤くなるのがわかる。


なんだか照れ臭いね、と、お兄ちゃんは言って、微笑んだ。


「今まで兄妹としてのキスはいっぱいしてきたけど…
これからは恋人として、キスするからね?」



「……うん!!」





陽月は、これからも、どんなときも、どんなお兄ちゃんでも、
いつも受け止めるからね。




一生、お互いが、大事で仕方ない二人でいようね。






大好きだよ、楓お兄ちゃん。





もう、このSSを貰って
見たときは飛び上がるほど嬉しくて恥ずかしくって
あの時の事がこんなステキな話になるとは!!
本当に本当にディアお兄ちゃんありがとうね!
ステキなSSをもらえて陽月は凄く幸せです!


21:51  |  陽月 (16代目)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

本当に素敵すぎるよね!
ディアッカに感謝だ。
楓 | 2007年11月19日(月) 22:19 | URL | コメント編集

か、楓さん>うんうん!ステキすぎるよね!
もう何度読み返したことか!

うんうん ディアお兄ちゃんに感謝だ!
陽月 | 2007年11月20日(火) 15:37 | URL | コメント編集

ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ

読み返して照れた中の人。


あんまり褒めると、俺踊るよ?w
ディアッカ | 2007年11月20日(火) 16:32 | URL | コメント編集

ディアお兄ちゃん>踊るのは陽月たちの方だよ!
本当に本当にありがとね!
陽月 | 2007年11月20日(火) 17:38 | URL | コメント編集

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